どれ程の時が過ぎても・・・
と、言う風に個人的には訳したいとこなんだよなあ。
あまりにも著名な此のスタンダードナンバー。
白黒映画時代の名作中の名作で名前くらいは誰もが知る
ハンフリー・ボガード&イングリッド・バーグマンも
戦争絡みな=悲恋映画=・・=カサブランカ=
悲恋と言うよりも=男の瘦せ我慢=の映画かも知れんが。
小生、此の洋画を何故か中学三年生の夏休みに見た・・
新潟市の古い繁華街に在った小さな映画館、俗にいう名画座で。
席が足りなくなれば映写室の真下のコンクリート床に
何処から出したと言いたくなる古いパイプ椅子が並び
無論上映の最中、スクリーンへ投影される映写機の明かりには
客が燻(くゆ)らせる紫煙がゆらゆらと揺れていた・・
禁煙の赤いライトサインなぞ当然ながら在りもせぬ
そんな昭和の、悪(わる)場所に近い小さな映画館。
ボギーのご面相を初めて見た瞬間、なんて不愛想で不細工、と
己の面を棚に上げて思ったりした中学3年生の田舎坊やは
映画の最後には・・これぞ男の理想の顔・・とまで嵌(はま)り込み
生徒だけでの新潟行き禁止の校則を一切無視して
其の年、両手の指折って数えて足らぬほど通い詰めたなあ。
行き返りの汽車賃と映画代払うと飯をまともに喰う金は無く
新潟駅のホームに在った立ち食いの駅蕎麦屋・・
其処の一番安い、葱入れ放題のかけ蕎麦が唯一の贅沢で(笑)
=死刑台のメロディ=を3番館扱いでだいぶ遅れてから観たあと
何故か帰り道、かけ蕎麦の汁が真っ赤になるまで一味振って喰ったっけ。
・・ちょっと気を許すと泣けそうだったから(笑)。
ジョーン・バエズの歌った主題歌が妙に沁みた
ごりごりの社会派映画だったな・・イタリアの名作の・・
あれ以来イタリア映画結構好きになったんだっけ。
あと、後輩の少女が=エデンの東=見たいというので
無理してデートのように連れて行ったまでは良かったが
小生が併映の=第三の男=にど嵌(はま)りしてしまい
白黒映画なんて見たくないと文句言いだした小娘に
先に帰りやがれと告げて後々えらい噂立てられたリ(笑)
あの頃、映画は・・どこか大人でお洒落な・・まだ娯楽だったんだよな。
ロードショー、弐番館、三番館、オールナイト、名画座・・・
仁義なき戦い3本立て、東京の大学時代に池袋でオールナイト・・
観(み)終わった客の歩き方が全員菅原文太に成ってたり(笑)
往時の感慨を込めて・・最初期、出始めのムービーメーカーで拵えた
カサブランカ内の名曲へのオマージュなど貼り付けておくことにしよう。
ドリー・ウィルソン旦那(ピアニスト・サム役)に愛をこめて・・
ボギーとバーグマンの大人の恋と男の痩せ我慢女の意地に憧れをこめて・・
そんな映画も一時期ビデオの普及で廃れ掛けたが
ネットの勃興で新しい展開を迎えつつあり・・
正直、今やテレビよりも可能性あるような気もする。
日本の地上波テレビ漫然と眺めて普通人の気分でいるなら
古いフィルム・ノアールや名画、問題作DVDで観たり
CSの映画チャンネルか向こう物のドラマ、ドキュメンタリーチャンネル
百歩譲って時代劇専門チャンネルでも見たほうがましだから。
何よりニュースが悉く偏向しまくってるし中央キー局すべて(笑)
さて・・今夜はピエトロ・ジェルミの=刑事=でも観ようか・・
あの=死ぬほど愛して=を延々リピートして聴きながら。
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